ドンブラvsキングオージャー and キョウリュウvsキングオージャーの感想

出来る限りのほぼ最速で感想

 

ネタバレあり

 

 

ドンブラはほぼほぼ理想的なものが出てきて、期待値よりはるかに上だった。ほぼほぼ100点。

 

キョウリュウの方は最低限はやったけど、それで留まっていて50点。やりたいことやるには二本立てのせいで尺が短すぎて可哀想だった。

 

 

感想はドンブラから

 

冒頭の何故こうなったかというとからもう懐かしくて泣きそうになった。

 

キングオージャーの世界にハーカバーカ経由で行くのかと思ったら、予想の斜め上をいく展開だった。

 

桃井タロウならお届け物です。でシュゴッダムに行っても何の違和感もないことは考えればわかるんだけど、意表を突かれた。

見る前の予想は今回の映画でカブタンがギィちゃんの生まれ変わりみたいな展開だろうと思っていたけど、カブタンを見てギィちゃんを連想するところしか当たらなかった。

 

だけど、カブタンを見てギィちゃんを思い出すのは見る前から多くの人が望んでいた展開だったと思うので、きちんとやってくれて満足。

 

タロウ以外の面々がチキューに行くやり方は結構強引だったけど、そう来るかぁ。とドンブラならあり得るなって面白いやり方で満足。忍者おじさんが登場するところだと劇場で笑っている人もいた。

 

その後はドンブラメンツとキングオージャーの面子のやり取りが続くけど、ここできちんと各キャラの個性を出してくれていたので、よかった。

 

気になったのは、イシャバーナの創作談義のシーンで、各キャラの本当に言いたいことじゃなくて製作者の代弁になっているだけじゃない?って思ったところ。

ここはリタがキングオージャーの中で制作陣が思う「面白いキャラ」として都合よくつかわれるけど、視聴者から見ると別にそんな面白くないってギャップをそのまま引きずった結果だとは思う。そういう意味でいうと、この映画のシーンが悪いんじゃなくて、リタってキャラの造形が浅いところが悪いという話になるので、原作のそのまま再現ってことでまぁいいかなとは思えた。

ほぼほぼ満点というのはこのシーンが若干気になったからで、本当は合格点つけたくないけどキングオージャーの原作通りだしvs映画だから別にいいかと思えたところ。

 

あとは教授とジェラミーが本編で深いようなキャラを演じようとしてるけど、実はすごい俗っぽいキャラっていうところが描写されていたり、忍者おじさんの動かし方が最小かつ最大の効果がでるものになっていて、尺を上手く使っていて満足。

 

そのあとの

 

特に面白かったのは、雉野がドンキングオージャーに一度やられているせいで、キングオージャーのことを邪悪なロボっていっているところで、ドンブラ本編をきちんとリスペクトして融合していることがわかってよかった。

 

あとは普通に良かったこととして、ドンブラとキングオージャー側が本当に戦っていたことがある。VSで本当にここまで戦うというのはそれだけで面白い。

 

そのあとの戦闘は取り立てていうこともないけど、ジロウの「処刑しようと思うんです」みたいなセリフもきちんと再回収していたりと、細部の出来が良くまとまって終わってよかった。

 

戦闘後が一番の感動シーンで、ソノイ登場

 

ここで最後にソノイが登場するところがもう素晴らしかった

 

見る前からハーカバーカが舞台という事でみんながソノイの登場と復活を望んでいたと思うんだけど、それを敢えて無視して最後にソノイがちょいと当たり前のようにでてくる。

 

自分はソノイを生き返らせるためにこの映画をやるのかと思ったら、そうじゃなかったのが、井上敏樹が書いてないのに井上敏樹らしさが出ててすごいいいと思った。

 

ソノイはダークサイドとしてタロウに敗れて死んでいて、その命はあくまでタロウから強制的に奪い取ったもの。

だから前回タロウに命を返すのは当たり前といえば当たり前の流れなんだけど、そのあとソノイが死んで特にコメントもなくドンブラゼンカイが終わって、自分は劇場で「これで終わり?」って声も聞いたぐらい、続きがないのが信じられない展開だった。

 

だけど、今回のソノイを見て、ああ前回はあれでよかったんだと思った。

 

人はいつか死ぬもので、それは営みとして自然なもの死んだ者は死んだ者の世界で日常を過ごすんだから、生きている人は生きている人の世界で日常を過ごそう。という内容が、井上敏樹のようなものを感じずにはいられなかった。

 

ギラの死ぬことは悲しい事じゃないってセリフは宗教的すぎる気はしたけど、一年のソノイロスがあったからこそ、その間もソノイは死んだ者の世界での日常を当たり前のように過ごしているんだ。ということがわかる、とてもいい幕のおろし方だった。

 

ソノイが生き返らずにハーカバーカで日常を紡いでいくというオチが美しくて、よくここまでドンブラとキングオージャーをきれいにつなげたものだと思えた。

 

最後は、タロウが再びシュゴッダムにいってお決まりで終わったけど、ここも素晴らしかった。

 

ドンブラの世界は縁が広がっていくけど、諸行無常さもあるという最終回のような寂寥感も出しつつ、ドンブラで言いたいことがきちんと言えてる見事な終わり方だった。

 

というわけで、ドンブラキングオージャーはほぼほぼ満足です。正直あまり期待してなくて戦々恐々と見に行ったから、予想をいい意味で裏切られて満足

 

キョウリュウジャーの方から

 

かなりの期待外れ。キングオージャーのキョウリュウジャーコラボの方が遥かに面白い。

駄目だった理由は明確で、

  • 伏線回収にこだわりすぎ
  • オールキャストにこだわりすぎ
  • 名乗りにこだわりすぎ
  • そのせいで時間がなくて本編短すぎて中身がすっからかん

というところ。キングオージャー本編のキョウリュウジャーコラボの裏側の回収はまだいいんだけど、100年後のキョウリュウジャーのネタを回収したりとか、トリンやスピリット達の活躍を回収したりとか、キョウリュウジャーファンが喜ぶように作ったことはまぁわかる。

だけど、35分ぐらいの尺でやることじゃない。少なくとも本編の伏線回収はもっとあっさりした方がいいと思う。

令和の作品はなんでもかんでもきちんと説明して、それこそジェラミーのいうように「行間のない」作品を作ろうとしているけど、キョウリュウジャーの伏線なんて「行間を読む」ことを前提でもっとぼかして尺を削って、本編の内容を濃くした方がいいと思う

 

1時間映画なら評価はだいぶ変わった気がするすごい消化不良感のあるキョウリュウジャーvsキングオージャーだった

 

というわけで2つの感想終わり。

 

ドンブラ目当てで見に行ってそっちが面白かったので満足です。