ドンブラザーズファイナルライブツアー配信の感想

平日の昼という貴重な時間を使って記すのは、配信期間が短いので、一人でも多くのドンブラザーズ好きな人に見てもらいたいから。

 

そして、配信を見ることで、自分がこれまで感じたことがないぐらいの心の揺さぶりを覚えることが出来て、それを形で残したいから。

 

ドンブラザーズ自体の感想もそのうち書きます

 

配信は下のリンクから

 

live.au.com

 

 

聞けい!

 

桃から生まれた、あ、 ドン・モモタロウ! イヨッ 日本一!

浮世におさらば、サルブラザー! イヨッ ムッキムキー!

漫画のマスター オニシスター! イヨッ 鬼に金棒!

逃げ足ナンバーワン イヌブラザー! イヨッ ワンダフル!

トリは堅実 キジブラザー! イヨッ トリッキー!

筋骨龍々 ドン・ドラゴクウ! イヨッ 超一龍!

俺が最強 ドン・トラボルト! イヨッ エクス虎!

清廉潔白完全主義 ソノイ!

美しいバラには棘がある 愛を知りたい ソノニ!

思い込んだら一直線 ソノザ!

ジョーズに目覚めた ドン・ムラサメ!

秘密のパワーブラック ゼンカイザーブラック!

 

あ、暴太郎戦隊 ドンブラザーズ! イヨッ 暴太郎戦隊

 

 

がマスターも加えたフルの名乗りで、あまり戦隊ものを見ない自分でもめったにないぐらいの大所帯になったとわかる人数。

 

遅くに加入したジロウでも15話ぐらいからの参戦なので、ムラサメ除くとほぼ全員が1年弱の間活躍を見させていただいたことになる。

 

自分の場合は、シアターGロッソや、映画も見たので、1年以上は付き合っていることになる。

 

さて、ドンブラザーズという作品自体が大好きなのだが、魅力を生み出している要素の一つに、悪の組織が存在しないという事にある。ソノイ達が最初は悪の組織の役割だったのだろうが、ドンブラザーズに加入したし、獣人たちも気ままに生きているだけで、悪気はない。

 

ラスボスであるソノヤ達が起こした行動も、迷惑行為を働くソノシゴロクを抹消しただけで、どちらかというと人間サイドに利した行動ともとれるので、悪の組織は一貫して登場しなかった。

 

自分は戦隊というのは、悪の組織があり、世界征服をたくらみ、それを正義のヒーローが阻止をするという枠組みから出ないものだと思っていた。

 

ところが、ドンブラザーズはそれを完璧に打ち破り、ご近所のトラブルを解決することで、話が続いていった。

 

そうなると何が軸に話が進んでいったかというと、登場キャラクターの成長である。味方サイド、当初の敵サイドも含め、登場キャラクターの成長を描くことで最終回としたのが、ドンブラザーズである。

別記事に書くが、特に桃井タロウが各人の思いを聞きに回り、そこで雉野が何も持たないじぶんから何かを持つ自分に成長できたと語っている所は涙なしには見られない名シーンだった。

他にも、ドン10話オニがみた虹は文句のつけようがない神回なのだが、10話をかけてオニシスターがヒーローとしての自覚を持つまでを描いた神回である。

 

他にもドンブラザーズが大事にしているのは縁であり、その結果として、ハイコンテクストな面白さを生んでいた。

 

代表なのが忍者おじさんであり、ずっと見ているともはや登場するだけで面白く、一般人である彼がラスボスでも誰も文句を言わないぐらいのキャラになったのも、ずっと見ていることで得られた縁=ハイコンテクストであろう。

 

別記事でも書くが、桃太郎という誰でも知っている作品をベースに説明を省略したハイコンテクストさや、脳人キャラをその1からその8という誰でも覚えられる名前にしたのも、余計な労力を視聴者から省いて、必要な情報のみ仕入れられるようにした素晴らしい設計であったと思う。

 

ハイコンテクストさと簡易な設計により、ダイレクトに面白さを供給してくるのは、ドンブラザーズという作品の魅力の主な部分であるといってもいいだろう。

 

ここまでが、面白さの前提となる部分の話で、これを軸にファイナルライブツアーの感想を書いていく。

 

 

第一部

 

桃井タロウが地獄に落ちるかどうかを閻魔大王に裁判にかけられるという話。弁護も起訴内容もこれまでの話が軸になっており、ドンブラザーズのハイコンテクストさを活かしたものだった。

 

話自体も面白い方であったが、舞台なのでリアルでの殺陣の重みがテレビより高く評価すべきだろうと思う。アクションについて、鬼頭はるかが演者が元スケーターであることなども最大限生かしていて、十分な動きであると思えた。

 

総じて、ファイナルライブツアー配信3回で第一部は共通だったが、3回見てもちょうどいいぐらいには面白かった。ただ、4回目だと飛ばした。

 

第二部

 

配信されているもの全部見たが、時系列順で見て本当に良かったと思えた。

 

ゲストを交えて遊びつつ、ドンブラザーズへのゲストの思いを述べるのが1000回と1330回で、マスターやソノシゴロクのキャラが立っていたこともあり、感慨深く見てこられた。

 

第二部千穐楽

 

ここが良すぎてダメだった。

 

サプライズがありつつ、キャスト一人一人がドンブラザーズへの思いを語る卒業公演だったのだが、これとドンブラザーズ本編との相性が良すぎて、心から感動できた。

 

これまで書いてきた通り、ドンブラザーズは縁を大切にしつつ、キャラの成長を一年間かけて描いてきた作品である。

 

卒業公演で、キャラが成長したけど、一番成長していたのはキャストであったというネタ晴らしがあり、ドンブラザーズが成長の物語であるとみていた自分の視点で、キャラと演者が同一視されるに至ったのである。

 

声優に対して代表的なキャラが想起されるなどはよくある事だと思うが、ドンブラザーズという作品の特殊性もあり、キャラの成長とキャストの成長を一年かけて描いたのがドンブラザーズであったということがわかり、配信の卒業公演を見ることで、自分の中でのドンブラザーズという作品がはじめて完成系になったのである。

 

特に雉野の演者の語りが、ほぼ最終回の雉野の語りと同一であり、雉野の成長と全く同じ成長を演者がしていたのかと思い、卒業公演でスピーチをしている演者の成長も見ていたのだとはっきり実感できたものだった。

 

この文をきっかけにいろんな人に配信を見てほしいので、内容について多くは述べないが、成長を描いた作品であるドンブラザーズという作品は、ファイナルライブツアー卒業公演でキャストの成長についての思いを聞くことで、最後にキャラとキャストが一体化し、見る側として本当の意味で完成したと思えたということは記しておく。

 

恐らく、悪の組織が存在せず一年かけてキャラの成長を描くようなトンデモな戦隊は今後めったに出現しないと思う。

自分は、テレビ、映画、Gロッソの素顔の戦士登場をすべて追っていて比較的に感慨に浸りやすい土壌はできていて運がいい方だったとは思うが、それにしても最後にドンブラザーズというのが如何にすごい作品で、稀有なものを見られたことの感謝で胸が詰まりながら最終公演を見ることが出来た

 

この卒業公演で得られた、キャラと演者が一体となって成長していた作品であるということへの感動を、追っていた人にはぜひ体感してほしいので、この記事をしたためた次第である。

 

ドンブラザーズ自体が素晴らしい作品であるので多くの人にも見てほしいので、見ていない人にはTTFCに入って全話見てもらい、そのままの勢いでファイナルライブツアーの配信も見てほしい。