統計検定1級受かり方/最優秀賞とりかた

画像は統計検定1級の最優秀賞の賞状

名前隠すのになにかいいのがないか探したけど、ガブリアスしかなかったので半端な感じだけどこれで

ほんまに統計検定で最優秀賞かい?みたいな写り方だけど、「極めて」(優秀な成績)と、下の方のハンコの偉い人の名前で証明できているはず

賞状

一応、学部と修士両方で東大数学科出て、在学時に数理統計とかもちゃんと触れていたので、賞状とってることもあわせてある程度は信頼性を担保できているかと思う。

大学の卒業証書も本当は出した方がいい気もするけど、流石に面倒なのでやめ。

 

今回のテーマは、効率よく統計検定1級に受かって、ついでに最優秀賞も狙えるような勉強の方法の紹介。紹介した勉強法に則って勉強すれば、元々受かれる素養がある人はまぁまぁ効率よく受かれると思う。

 

前提:統計検定1級は数理統計を専攻している大学学部生の卒業時点でふさわしいぐらいの学力があるかを試している試験 = 数理統計で大学院試を受けているような難易度

これに、「独力」で受かるのを目指す

 

 

まず問題を2問書くので、それぞれ解けない人は解析と線形代数の勉強からやり直して、引き返してください。

当たり前だけど、大学1,2年の勉強の基礎ができていないのに、大学院受けるのは無理です

  1. exp(-x^2)の -inf <= x <= inf での積分を求める
    1. 正規分布確率密度関数を持ち出して、確率密度関数だから合計1になるから、みたいにして本問を解くのは禁止。普通に解いて下さい
  2.  Y = XB + e (Yはn*1 , X はn * m , B は m * 1 , e は n * 1 の次元)の線形回帰モデルで、誤差の二乗合計量e'e (’は転置) を最小にするBは、X'XB = X'Y を満たすことを示せ
    1. ヒント1:f(B) = (Y - XB)'(Y - XB) とおいて微分する
      1. ヒント2:多変数関数の微分は、f(x + h) - f(x) = Mh + o(|h|)と書けるとき、Mのことをf(x)の微分といいf'(x)で表す。f(B+b) - f(B) を計算して、o(|b|)となる項を無視したときに、何が残るか考えて計算する。この程度公式なぞ使わず程度に従って微分するので十分。
        1. o(|x|)はランダウの記号です

 

この計算が出来るというやや高い壁を設定するけど、この内容はできないと数理統計がわかってるとは言えないので、最低要求値がこのぐらいだと思っておいてください。

 

 

  1. 5万円ぐらい必要費用を捻出する
  2.  統計応用の選択科目を決める
    1. 大学の授業で時系列解析をやっていて、記憶が残っている or ノートが残っているなら、理工学。そうでないならなんでもいいです
      1. 見た感じほとんどの人が理工学だけど、自分は理工学以外で受かるという珍しいことしました。ちなみに理工学以外の分野よく知らないけど、時系列解析で碌な本がなくて自習に向かないので敢えて理工学を外すという選択をとりました。
      2. 簡単に捕捉すると、時系列解析ってよく使われるのにまともな本が一冊もないという不毛な分野です。そのため、大学時代にきちんと講義を受けているかどうかで、相当に差が出ます。講義を受けていたら喜んで理工学にすればいいと思うけど、それ以外は興味で選んでいいと思う。
  3. 統計検定1級の公式のテキストの説明を流し読みして、章末問題を解いて、解けなかったら説明を詳しく読みに戻って、また章末問題を解くのを繰り返す。試験範囲全部でこれをやる
  4. 統計検定1級の過去問を現存するすべてを買う(3万円ぐらい)
  5. 統計数理の勉強が一通り終わってから統計応用をやる
  6. 1年分は多分手がつかないので、写経する
  7. 2年目になったら写経も多いけど、見たことある問題も出てくるはずなので、そういったものは手を付け始める。といっても解けないはずなので、なんか手が付き添うと思ったら、「解答の1行目だけ見て」それをヒントに問題を解く。解答の1行目だけ見て、それをヒントに問題を解くというのは、ノーベル賞受賞者ファインマン先生もやっていたという、常套手段である
  8. 4年分ぐらいやればだいたい手が動くようになる
  9. 現在出版されてる10年分を全部やると、見たことない問題はまぁ出てこないはず
  10. さぼらずきちんと手を動かす。時間が厳しいテストなので、とにかく手を動かすスピードアップが肝要
  11. 10までを何回も繰り返して速度を上げる

 

これで、うまく本番で解ける問題が出てくれば最優秀賞。そうでなくても、合格といった感じの結果になると思います。

 

一応こういう内容になった経緯も説明すると

 

  1. 統計検定1級の出題範囲が、数理統計じゃない
    1. フーリエ変換の出題がないのがガチであり得ない。数理統計でもなければ温い直感的な統計でもない、統計検定1級の専用の変わった出題範囲
      1. そのため、公式のテキストをやるのが一番いい。実際の出題範囲と乖離していたり、内容が不十分と評判が悪い面も見えますが、少なくとも自分の目線だと結構ましな方の教科書。数学の本って演習の説明が適当で、独力でやっても問題が解けるようにならないことが多いんだけど、演習の説明が丁寧なので、独力でやる人には相当優しい方だと思う
      2. フーリエ変換を扱うきちんとした数理統計の本を読むと統計検定1級には難しすぎて、フーリエ変換を扱ってない数理統計の本はそもそも別に買う必要がないので、統計一級の公式テキストでいいと思う
  2. 現代はインターネットが便利すぎるので、教科書 + インターネット + 過去問で必要な知識がすべてそろう。教科書に載ってないのは検索してがんばれ。変にたくさん本買うよりは、公式テキスト + 勉強ノートの方がいい
  3. フーリエ変換が試験範囲にないっていうありえない試験なので、はっきりいって数理統計の試験じゃなくて、業界団体の試験に過ぎないです。なので最初から問題を解くことを主眼にしましょう

 

というのが個人的な突破法。普通の勉強法よりハードルを高く設定しているけど、その分必要な書籍は少ないかと思います。とはいえ10年分勉強するのに半年ぐらいはかかるので、まぁまぁ気合入れて勉強してください。計算スピード自体が速い人は3年分ぐらいで受かると思います。

自分は統計数理で複素積分をしてフーリエ変換を真面目に計算したけど時間が余ったので、とにかく訓練あるのみです