ゲームに役立つと思ってゲーム理論を勉強したという人が結構いるみたいなので、役立つかどうか自分でも検討してみた
個人的な結論から言うと、全く役立たない。なぜなら、ゲームのプレイヤーが求めていることと、ゲーム理論でやりたいことが全然違う方向を向いているからである。
ゲーム理論はある種のルールの下で得られた最適化について、大域的最適解(本当の最適解)にいたることが出来るかどうかや、それが大域的最適解かどうか。局所的最適解(部分的な最適解)の場合は、なぜ部分的最適解に至ったか、そこから抜け出せないのはなぜか。
といった考察をする学問だと考えている。
完全に主観でゲーム理論に詳しい人から突っ込みが来るかもしれないが、ゲーム理論はなんらかの経過を経て、大域的でも局所的でも「最適解」が得られた後に、その最適解が得られた理由について考察するツールであるというように、自分は考えているということだ。
つまり、結果を分析するためのツールであって、結果を独自で構成するためのがツールではないというのが自分の理解である。
そのため、ゲームの行動選択を効率的にするためにゲーム理論を使うというのはだいぶ使い方が間違っているな。というのが自分の見解である。
ゲームで最適な行動を構築したいなら、まず評価指標として何がふさわしいかを地道にゲームをやりこんで考察したのちに、そこで作った評価指標に対して、ヒューリスティックな手法を利用して最適化を施すというアプローチになるだろう。
ゲームをある程度理論的に解きたいのであれば、ヒューリスティックを勉強する以外の選択肢は主観では存在しない。
さて、ではゲーム理論とはどこで役立つかというと、得られた結果の分析なので、例えば
などの使い道は思いつく。結果を分析するためのツールなので、プレイヤーではなく開発者よりの使い道となろう。
ただし、ゲーム理論は合理的な選択をとることがある種の前提で議論が進められる(その程度の仮定はおかないと学問にしようがない)ので、「特定のキャラが人気だから使用率が高い」のようなノイズの扱いは面倒になりそうなので、思いついただけで実用的かどうかは一旦おいておく。
経済学での応用でゲーム理論は有名な気もするが、こちらも上と同じような人気にある種作用されてノイズが残ると思うので、自分は当てはめるのにそこまで適しているとは思わない。
自分が最もゲーム理論の当てはめに適していると思うのが、生物の進化における選択と淘汰である。特定の時間での生物進化の様子については、長い年月を経た局所最適解といえる。その局所最適解がどのように得られたかについて、ゲーム理論を用いて考察しようという話である。この場合は、ノイズがあったとしても、ノイズをある時点での出来事と解釈することで、ノイズを現象の仮定に含めて考察することが出来ることが、これまでの事例と大きく異なることである。
前に生物学の進化にゲーム理論を当てはめるという話を見たことがあって、なるほどこれは筋がいいとそのとき思った。はっきりいって、「ゲーム理論は本来生物学で利用する理論で、たまたま発見順序の問題で数学や経済に見えるだけ」というのが、自分の見解である。
ゲーム理論について対して詳しくもないのに長文を書いたが、
が自分の意見である。